旋盤の使い方
具体的な旋盤の操作方法はこちら
旋盤の各部の構成は以下に示す通りになっています。
次に旋盤の作業工程や各部の操作について詳しく説明していきます。
・旋盤作業の準備
・バイト
加工する物の大きさや材質、加工方法にあわせてバイトを選びます。
・切削速度と主軸回転数
切削速度は工作物の材質とバイトの材質によって決めることができます。表に旋盤の切削速度を示します。
切削速度を決めたら以下の式に基づいて主軸の回転数を求めます。
V = πdn/1000 (m/min)
n = 1000V/πd
V:切削速度 (m/min) d:工作物の直径 (mm) n:主軸回転数 (rpm)
次に主軸台に貼ってある主軸回転数指示表を見て、算出した回転数に近いものを回転数として定めます。
主軸回転数指示表
・旋盤作業
・バイトの取り付け
バイトを四角刃物台に置き、専用の道具を用いて締め付けボルトを締めバイトを固定します。バイト刃先の高さはセンタ高さにあわせます。高さを調節するときは、バイトの下に敷金を敷き高さを調節します。
バイトの固定
高さ調節
・加工物をチャックに取り付ける
加工物をチャックの穴に入れ削る長さぶん外に出してハンドル取り付け、まわして加工物を固定します。固定したらすぐにハンドルをはずします。(事故の原因になるため!!)
・ 面削り・心立て
工作物を取り付けたら工作物の端面を削り平らにし、長さを決めます。次に心押台にセンタドリルをくわえたドリルチャックを取り付け工作物の近くに心押台を固定し、工作物の中心にドリル先端が来るようにして、心立てをします。
センタドリル
主軸を回転させ、心押台ハンドルをゆっくり回してセンタ穴をあける。
・ 切削
次に切削に入ります。例としてまず、直径をφ16、長さを130にする外周削りをします。
まず、切削まえの直径をはかり、切削する量を決めます。
次に主軸回転数と送り速度を先ほどの式に入れ求め、それに近い値になるようにレバーとタンブラを合わせます。
次に往復台を動かしてバイトを工作物の端面付近に寄せます。主軸を回転させ、前後送りハンドルを時計回りに回してバイトを前進させ、刃先を工作物の外周に触れさせ、ディスプレイのZ軸の値を0にします。
工作物と刃先をはなし、バイト刃先を工作物のやや右に寄せ、Z軸の値を見ながら前後送りハンドルを回してφ16になるように切り込み量をきめます(切り込み量より多くハンドルを回したときは、大きくもどして、もういちどやりなおす)。次に横送りハンドルをまわして刃先を工作物の端面に触れさせ、ディスプレイのX軸の値を0にします。
工作物と刃先をはなし、自動送り用レバーをあげて、往復台に縦送りをかけ、ディスプレイのX軸の値をみながら右端から130mm程度削り、最後に手動送りに切り替え、寸法を出します。
(写真をクリックすると動画が再生されます。)
次に底の部分にΦ12深さ50の穴をあけます。まず心押台に、Φ12のドリルを取り付けます。その後ドリルの先端が工作物の底面にあたる付近まで心押台を移動し、主軸を回転させ心押軸の目盛りを見ながら、心押軸ハンドルを回して、深さ50の位置まで穴をあけます。
ここにドリルを取り付けます
次に段削りを行います。工作物を一度チャックからはずし、逆向きにして固定します。それからは、先ほどの外周削りの工程と同様にして、段をつくります。
次にねじ部の製作に取りかかります。そのためにまず溝削りをします。溝削りでは突切りバイトを使うためバイトを変えておきます。主軸を回転させ、バイトの刃先を溝をつくる位置までもっていったら、刃先を工作物の側面に触れさせます。ディスプレイのZ軸の目盛りを0にあわせ、前後送りハンドルを回して切り込み、溝をつくります。
突切りバイト
溝ができたら、面取りをします。面取りは、先が、45°のバイトを用いるか、主切れ刃面が45°になるようにバイトを傾けて、刃面を工作物の先端の角にあて、前後送りか、左右送りをかけることで、面取りをします。
最後にねじ切りをします。ここではおねじを切ります。まずバイトをねじ切りバイトに変え、工作物が固定されているのを確認します。旋盤についているねじきり表をみて、必要な替え歯車をとりつけます。タンブラおよびレバーの位置を決め、送り回転、ねじ切り・送り切り換えレバーを切り換えます。往復台を手送りで送り、バイトの刃先をスタート位置までもってきます。主軸を回転させ、ねじ切りダイヤルの目盛りがあったところで、ハーフナットレバーを下ろし、バイトが逃げ溝までいくまでねじを切ります。
ねじ切り指示表
ねじ切りダイヤル
工作物をチャックからはずし、バイトなどもはずし、旋盤のまわりをきれいに掃除して終了です。片付けについて
柄の部分完成